How to Read a Paper
読んだ(http://blizzard.cs.uwaterloo.ca/keshav/home/Papers/data/07/paper-reading.pdf)
タイトル : How to Read a Paper
著者 : S. Keshav, David R. (Cheriton School of Computer Science, University of Waterloo)
これなに?
- 実用的で効率的な論文の読み方である"Three-Pass"って方法の紹介
- "Three-Pass"を文献調査へ応用する方法の紹介
この"Three-Pass"って方法のよいところ
- 論文の概観がつかみやすい(大意を掴む前に細部にハマることがない)
- 論文の読む時間が大体わかる
- 時間やニーズにあわせて理解度を調節できる
"Three-Pass"ってなんぞや?
→論文を読む工程を3段階に分解
- その論文に書かれてる一般的なアイデアを得る
- 論文の内容を掴む(証明などを省いて)
- 前段階より深く論文を理解する(頭の中で論文を再構築できるくらいに)
まず1段階目の概要理解フェーズ
- タイトル + アブスト + イントロ をじっくり読む
- 節と小節の見出しを読む
- 論文の数学的内容を見て、基礎的理論を把握
- conclusionを読む
- リファレンス読んで、一度読んだ論文をチェック
これが終わった後以下の質問(Five Cs)に答えられないといけない
- Category: この論文はどんな分野の論文? 何かの評価?既存のシステムの解析?研究のプロトタイプの解説?
- Context: 他の関連する論文は? どの基礎理論が用いられている?
- Correctness: 論文における考察・論理は妥当?
- Contributions: 主な貢献は何?
- Clarity: 論文はうまく書かれている?読みやすい?
- この情報を使って、次の手順に行くかどうか、この論文が必要かどうかを決める
- 大体かかる時間は5分から10分くらい
- 逆に、ここで読みにくい・わかりにくい論文はバッサバッサ切られていくと思え(論文を書くときの参考として)
2段階目のじっくり読むフェーズ
とりあえず証明みたいな詳細を除いてちゃんと論文を読んでいく
以下のポイントに注意
- キーポイントやコメントを余白にメモする ex)わからない言葉・質問したいこと
- 図やイラストを注意深く見る
- 特にグラフはめっちゃみる(軸ラベル・データから導き出される結果と結論が統計的に妥当?
- 未読の関連文献にマークを付ける
- 熟練の研究者でもこの手順は1時間以上かかる
- この手順を終えた後、論文の内容を把握できて、その要旨を根拠とともにまとめられて人に伝えることが出来るレベルにならないとダメ(所謂ちょうどいいレベル)
これを経てもわからないときは?
原因は?
- テーマが自分に取って新しい
- よく知らない専門用語や略語が多い
- 知らない実験技術とか根拠がある
- 証明されていない主張とかがあって論文自体がダメ
- 疲れた状態で読んでる
対策として
- 論文を閉じてさよなら(今後の人生でいらないと考える)
- 背景についていろいろ調べて再度読む
- 次のステップに行く
3段階目(再構築フェーズ)
- 論文を脳内で再構築していくフェーズ
- 再構築したものと実際の論文を比較することで以下の点に気づけて自分の物にできたりするっていう利点がある
- 論文の新規性
- 論文に隠された誤りや考察
- 論文における証明技法・表現技法
- このフェーズで将来の研究へのアイデアを書き留めたほうがよい
- 熟練の研究者でも1〜2時間以上はかかるフェーズ
- この手順を終えた後は以下のことができる(らしい)
- 短所と長所がわかる
- 記憶から論文の全体構造を再構築できる
- 隠れた仮定や紐付けられていない関連研究がわかる
- 実験的・解析的な技法の潜在的問題点を指摘できる
文献調査への応用
(第1段階) : その分野での研究の感覚をつかむ
- Google ScholarとかCiteSeerで、調べたい分野でめちゃくちゃ引用されている3〜5つの論文を見つける
- その論文に概要理解フェーズを適用、研究の感覚を掴む
- 関連研究の欄からサーベイ論文だったり、その分野の研究のまとめっぽい論文を探して読んでいく
(第2段階) 有名な論文・著者、トップカンファレンスを見つける
- よく文献で出てくる論文・著者名を見つける
(これがこの分野における有名な論文や研究者) - 見つけた有名な研究者のサイトへ行き、最近どこで発表しているかを確認
(これがこの分野におけるトップカンファレンス)
(第3段階) トップカンファレンスの最新の論文と最初の論文を合わせる
- トップカンファレンスの最新の論文を調査
- 第1段階で見つけた論文、第2段階で見つけた著名な論文、トップカンファレンスの論文を合わせて最初のサーベイとして、これらの論文に対し、「概要理解フェーズ」、「じっくり読むフェーズ」を適用
- 概要理解→じっくり読み→脳内再構築の3段階ってのは頭に入れないとなぁ
- 論文の読み方がなんとなくわかった(気になっただけかもしれないけど)
- surveyの方法がわかれば読むだけだもんなぁ、これに従って
- ただこれは情報系に対応して書いたってわけじゃないからところどころ直さないと行けないと思うけど