「埋蔵分子」発掘プロジェクト―化学反応経路マップのインタラクティブ可視化に向けて
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2.分子構造と化学反応経路の探索
2.1トポロジカルな分子構造の数え上げ
- トポロジカル法:原子と結合のトポロジカルな関係に基づき数学的に列挙する方法。A. Kerber, R. Laneらによるもの→速い、原子価を満たすもののみ、分子構造が平面
2.2量子化学に基づく分子・反応経路探索
- PES上の極小点と鞍点を結ぶ反応経路を探索
- 分子構造とその合成方法を得る数え上げ法:ポテンシャル法
- Scaled Hypersphere Searchという手法により自動的に探索が可能になった
- Global Reaction Route Mapに実装されている
- ポテンシャル曲面を超球面探索法により網羅的に探索するらしい
- トポロジカル法と比べて色々な構造が列挙できるよ
2.3「埋蔵分子」発掘プロジェクト
3化学者による化学反応経路マップの解析
3.1GRRMからの出力:化学反応経路マップ
- GRRMから、幾何学情報と物理化学的パラメータが得られる
- 幾何学情報→分子構造(原子の種類と三次元座標値) - 物理化学的パラメータ→ポテンシャルエネルギーなど
- EQ:PES上の極小点 安定な分子構造のこと
- TS:2つのEQを結ぶ化学反応経路上の最もポテンシャルエネルギーの高い地点 遷移状態
- DC:1つの分子構造が分解し、2つ以上の分子構造へと変化するときの分離した状態のこと 解離チャネル
- GRRMは複数のEQ、TS、DCをノードとしてもつ
- 1つの組成式から得られるネットワーク全体を化学反応経路マップという
3.2化学反応解析の基本要件
注目する属性- 分子構造 EQ、TS、DCの構造情報は基本的な属性、平面構造から立体構造まである、化学反応経路を経る過程で分子構造がどのように変化していくかを示す動画も重要らしい
- EQのポテンシャルエネルギー 分子の内部エネルギー、その化合物がどの程度安定に存在しうるかを示す指標=値が低いほど現実に多く存在しうる可能性高い。逆にこれが高い化合物は高い反応性を持つ=反応設計のキー反応物となるポテンシャルをもつ。必須の基本的な物理化学的数値データ
- TSのポテンシャルエネルギー あるEQが別のEQに変化するためにはエネルギーの壁を超える必要あり=活性化エネルギー 活性化エネルギー=TSのポテンシャルエネルギーと反応物のポテンシャルエネルギーの差分で表される 1つのEQ構造が複数のEQ構造へ変化する複数の経路が存在するとき→最も低い活性化エネルギーを経る反応が最も起こりやすい
- 化学反応ステップ数 EQを結ぶ複数の反応経路の解析をするとき→いくつのEQ構造を経ているかの情報=反応ステップ数も大事な情報→よりステップ数の少ない反応経路の方が効率的な合成となる
- 反応物を指定した検索 興味のある反応物から出発した検索と各ノードの詳細情報の解析を行う 出発点となる反応物を決める基準
- 分子構造、ポテンシャルエネルギー値 出発点が反応物→反応予測、生成物→化学合成設計
- 反応物と生成物を指定した検索
2つのノードを指定→その間を結ぶ全ての化学反応経路の探索と各ノードの詳細情報の解析を行う
→全てのパスのうち、より低い遷移状態を経るものが実際に起こりやすい+反応ステップ数が少ないものが有望な化学反応経路
4化学反応経路の可視化
- ボール&スティック表示と呼ばれる分子モデル図がある→重要な可視化
- 最もポテンシャル
コメント
・埋蔵分子の合成方法を得るためにも反応経路ネットワーク解析したいって気持ちになりますね ・GRRMってすごいんや(べた褒めされてるし) ・DCっていう構造もあるのね(あんまりよくわかってないけど) ・3-2あたりはためになった ・結局活性化エネルギーとステップ数が解析の上で重要そう